うつ病が再発することがあるってご存知ですか?
うつ病が治ったと思ったら再発してしまったということは珍しいことではありません。うつ病の症状が治った後も50%の確率で再発するともいわれています。うつ病の治療は長期的になりやすく、再発をするとさらに治療期間が延びるため再発は出来るだけ予防したいところです。
うつ病の再発がなぜ起きてしまうのか原因と対策について解説します。
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なぜうつ病の再発予防が重要なのか
うつ病は再発する可能性が高い病気で50%の人が再発するといわれています。また、再発を繰り返すことで慢性化することが知られています。1回目の再発は50%の確率ですが、2回目は70%、3回目は90%と再発する可能性が上がります。
そのため、うつ病の治療が進んで症状が落ち着いてから、再発予防を考えなければなりません。うつ病の治療に使われる治療薬は、うつ病の状態を良くするだけでなく再発予防として使用することもあるため、症状が落ち着いてから半年間以上薬を飲み続けることもあります。
再発する原因
うつ病が再発しやすいのはいくつか原因があります。本人のうつ病に対する意識の問題、うつ病になりやすい環境、ストレスが継続していることも考えられます。不規則な生活習慣が原因の場合もあります。
自己判断による通院の中断
うつ病は、「急性期」「回復期」「維持期」という段階があります。「急性期」と「回復期」では症状や治療効果を実感しやすいため通院や服薬を続けやすい一方、「維持期」はうつ病の症状から回復して日常生活を送っている状態であるため、治療効果を感じにくくなっています。そのため、本人が通院の優先順位が低下し、自己判断で通院や服薬を中止してしまう可能性が高くなります。
うつ病の治療に使われる薬剤はうつ病の症状を改善するだけでなく、良い状態を維持する働きもあるので症状が改善された場合でも根気よく治療を継続することが重要です。
再発への理解不足
薬を飲むことに抵抗感を持つ方は多く、症状が落ち着いて治療の継続が必要かと感じると通院や服薬が面倒に感じてしまうこともあります。うつ病の治療に対して本人が理解できず、納得しなければ治療を継続することが難しくなります。
ストレスの原因が環境や人間関係である場合、まずこれらのストレスを避ける必要があるため、うつ病の治療には家族や職場でのサポートも必要です。
しかし、本人だけでなく周囲も再発するリスクを理解していないと継続的なサポートをすることができません。うつ病の理解を深めるために医師やカウンセラーに相談してもいいでしょう。
環境の変化、ストレス
うつ病が再発する原因として大きな環境の変化、ストレスの蓄積があります。
進学や転職などの生活環境の変化は人間関係の変化も伴い大きなストレスになることがあります。家族や友人との死別、離婚などの別れも心の準備をしても心理的に大きな負担です。また、結婚や昇進といった普通は喜ばしいことであっても、人によってはストレスに感じてしまうことがあります。
これらのストレスは、うつ病の発症リスクになるだけでなく再発の原因になるので注意が必要です。
身体的な疾患
糖尿病、高血圧、てんかん、認知症などの生活習慣病や、身体的な疾患はうつ病の発症リスクが上昇することが知られています。肥満の他にビタミン・ミネラルなどの栄養不足によってうつ病のような症状を引き起こしてしまうことがあります。また、うつ病を発症した患者のほとんどが不眠に悩んでおり、不眠が継続すると症状が悪化します。適切な睡眠時間と、バランスの取れた食事を摂るなど規則正しい生活習慣をすることがうつ病対策では重要です。
うつ病と食事は、こちらの記事をご参考ください。
食生活、乱れていませんか?うつ病と食事の関係性を解説!
https://www.tawara-clinic.com/blog/014/
再発しないためにできること
うつ病の症状が落ち着いてからも再発の可能性は十分にあります。主治医から通院不要の許可を得ない限り治療薬を飲み続ける必要があるので、自己判断で薬の服用を中止しないようにしましょう。ただし、薬の副作用が現れた場合はすぐに主治医に相談してみましょう。薬も相性があるので治療薬を変更することで改善することもあります。
また、うつ病の再発はストレスが原因となることもあるので、再発予防のためにはストレス対策が必要です。ストレス対策は、本人と家族、職場などの周囲の理解が必要です。周囲のサポートや本人の病気への理解が不足すると、うつ病の治療を継続しても環境の改善やストレス対策が十分行うことができずに症状が改善しないことがあります。症状が落ち着いた場合でも、同じようなストレス状態に戻るとうつ病が再発する可能性が高くなります。そのため、うつ病の再発予防には職場や家族のサポートが不可欠といえます。
このような時は主治医に相談
うつ病の再発で気を付けることは、うつ病を初めて発症した時と同じです。うつ病には身体的、精神的な症状がでてきます。
・食欲不振
・不眠
・意欲の減退
・感情が不安定になる
不眠については、ベッドに入っても寝付けない状態だけでなく夜中に何回も起きたり、予定した起床時間よりも早く起きてしまったりすることも不眠に分類されます。不眠は放置しているとうつ病の発症リスクを上げます。また、ストレスが蓄積してくると感情のコントロールが難しくなります。突然、泣き出してしまう、些細なことでイライラして怒鳴ってしまうという症状が出てくることもあります。少しでも気になることがあれば遠慮せずに医療機関に相談してください。
まとめ
うつ病は再発することが多い病気です。再発を繰り返すと慢性化しやすくなるので、再発を予防することが重要です。再発を予防するためには、根気強く主治医の治療方針に沿って治療を継続する必要があるので、自己判断で治療を中止しないようにしましょう。
うつ病の原因としてストレスは大きな割合を占めます。生活習慣を整えて無理をしないようにしてストレス対策をすることで再発予防につながります。主治医とうつ病について良く話し合って、家族などの周囲のサポートを受けて再発予防に取り組みましょう。